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 本来ならばどこよりも寛げるはずの自室で過ごす時間は元より少なかった。ゼロが現れてからその時間がさらに減っていることに気付いているカレンは、それでもそこここに自身の匂いを残す室内で瞬きを忘れるように一つの画面に見入っている。殆ど使わない自室のテレビ画面には、これまで誰からも然程重要視されていなかった少女が映し出されていた。柔らかな雰囲気の少女からは、武力支配を声高にうたうブリタニアの支配階級らしさが感じられない。それでも、彼女がこの「エリア11」の副総督であることは純然たる事実だった。

「特区日本…今更、おままごとみたいね」

 短い呟きに意図した以上の険が含まれていることに気付き、カレンは自嘲する。支配者から下げ渡される形ばかりの平穏に興味などなかった。ただ与えられるだけのものは、強者の気まぐれで簡単になくなってしまう。そんな不安定な状況で明日の天気を気にしながら生きるよりも、カレンは自身の手で理想を勝ち取りたかった。そう思うと同時に、胸中を不安がかすめる。
 カレンだけのことを言うなら、今回のユーフェミアの発表は何の意味もないことだった。ブリタニアのお姫様がまた気まぐれを起こした、それだけのこととして明日には忘れてしまうことも出来る。だが、虐げられる全ての日本人が戦う力を持っているわけではないとカレンは知っていた。そして、そういった人々が今も毎日命を脅かされていることも。カレンが…彼女の信じるゼロが勝利を勝ち取るまでに命を落とすかもしれない人々に、「いつか」を待てとは言えない。その意味では、ユーフェミアの提言は酷く魅力的だった。








夢中天 43







「おっスザク久しぶりだな!」

 漸く見慣れてきた生徒会の扉を開くと、普段と何も変わらない声が自身を迎え入れてくれる。知らず張っていた肩の力を緩めて、枢木スザクは淡い笑みを浮かべた。

「リヴァル…うん、結構忙しくなって」

「あ、それってやっぱりあの「行政特区」のせい? あれ、お前も何か関係あるのか?」

 興味津々と言った体のリヴァルの声に苦笑を返して、スザクは僅かに首を傾げる。主の提唱した行政特区日本について、枢木スザクは何の関与もしていなかった。否、出来ないと言った方が正しい。普段は姉の方針に意見を差し挟むことのないユーフェミアの発案は、宰相の後押しを受けて瞬く間に決定した。日本人の行く末を憂う内容に元日本人であるスザクの影響を見る者は少なくないが、スザク自身からしてみると彼女の決意は別の場所にあるように見える。無論、スザクを気遣い、その意見を尊重したいといった意識はあるようだが、それ以上の意図は感じられなかった。故に関係ないと言ってしまえばそれまでだが、主たるユーフェミアが多忙になれば騎士としてのスザクの拘束時間も増える。その点は無関係とは言い難かった。

「えっと、どう言えば良いのかな」

「もう良いだろ、リヴァル。スザクの立場じゃ言えないこともあるさ」

 説明に窮したスザクに助け舟を出したのは、それまで窓際で黙々と読書に勤しんでいた幼馴染だった。最近目立って休みがちな彼が出席していることに安堵の息を吐くと、納得したらしいリヴァルは深く頷く。面倒な説明に言葉を探しているだけだったスザクは、しかし説明不要の雰囲気になっている現状を良いことにルルーシュに笑みを向けた。

「ルルーシュ…学校、来てたんだね」

「ご挨拶だな。お忙しい騎士様よりはよっぽど真面目に出席してるさ」

 肩をすくめてみせる仕草が普段通りで、そのことに安心したスザクは自身が緊張していたことに気付かされる。何故、とは問うべくもなかった。
 政庁は今リヴァルが口にした行政特区問題で揺れている。しかし、その反面街を行き交う人々は副総督が提唱した政策について然程の関心を抱いていなかった。殆どの人間が、自分とは無関係な話だと思っている。無論それも後々詳細な情報が発表されるに従って関心は高まるだろうが、現在はただの話のタネにすぎなかった。だが、今は些細と呼ぶべき発案も、一部の人々にはそのまま将来を左右されるような問題と言わざるを得ない。それは今回の政策の対象者となる日本人は当然のことながら、それに関わる政治担当者も、そして今の枠組みでは生きていけない一部のブリタニア人にとっても。
 
「ルルーシュ…今日、これから少し時間を貰えないか」

 出来るだけさり気なさを装った筈の声は、しかし我ながら乾いて硬い。リヴァルが片眉を持ち上げるのが見えたが、弁明するのも奇妙な気がして黙殺する。その代わりというわけでもないだろうが、じっと見据えた先のルルーシュが場を和ませるように小さく息を吐いて苦笑した。

「久しぶりに来たかと思えばいきなりご指名か、相変わらずだな。まぁ良い、ついでに夕飯も食べていけよ。ナナリーが喜ぶ」

 相変わらず、と言った彼にこそその言葉は相応しい。いつも通り二言目には妹を気にするルルーシュに釣られるように、スザクも笑みを浮かべた。








「夕飯までにはまだ少し時間があるな…で、話って?」

 がさつになった、と評しはしたものの隠せない優雅さを纏ったルルーシュが差し出した紅茶を受け取りながら、スザクは自身の思いを伝える言葉を探す。しかし、次の瞬間にはその行為の無意味さを悟って小さく頭を振った。ただ想いを伝えるだけならば言葉に装飾は不要だし、説得するならば言葉を選ぶことは却って自身の不利に繋がる。相手はルルーシュだ、小細工は一切通用しないと思った方が良かった。丁寧に淹れられたことを感じさせる豊かな香りの紅茶を一口含んで、そっと目を伏せる。一拍置いて目を上げたスザクは、射抜くように真っ直ぐルルーシュの瞳を見据えた。

「ルルーシュ、ユーフェミア様の行政特区に参加してほしい」

 はっきりと紡いだ言葉に、ルルーシュは表情を変えはしなかった。先を促すような表情がスザクの話の予想は付いていたと語っている。つまり、現状のままではユーフェミアに賛同する意思はない、と言い換えても良かった。ルルーシュのブリタニアに対する感情を考えれば当然ともいうべき態度に、スザクは声を励ます。

「ユーフェミア様は素晴らしい方だ。あの方は他のブリタニア皇族とは違う…弱者の未来を憂うことが出来る方だ」

「それで?」

「彼女なら君やナナリーを悪いようにはしないだろう」

 言いながら、スザクは一片の見逃しもないようにルルーシュを見つめる。生真面目なスザクの口調を受けても、ルルーシュの態度に変化はなかった。学園で見せるものと同じ笑みを表情に浮かべて、何でもないことのようにあっさりと言葉を紡ぐ。

「ユーフェミアに賛同するつもりはない」

「…どうして」

「本当に分からないわけじゃないだろう。行政特区日本は広く受け入れの門戸を開いている。だが、誰でも無差別に…とは行かないだろう。つまり、俺やナナリーの出自は明らかにされる」

 当然のようにルルーシュが言うことは、恐らく正しい。限られた範囲で試験的に行う「特区」を成功させるためには、些細な問題も排除する必要があった。参加する日本人も…日本人以外の志願者も十分に審査されるだろう。無論、ある程度は秘密裏に。そこでルルーシュやナナリーの出生が明らかにされる可能性は高かった。 

「だけど、それはこのままでもいずれは同じことになる」

 彼らの出自が明らかにされれば、最悪の場合その命が危険に晒されるのだということはスザクにも理解出来ている。そして、このままエリア11の治安が安定すれば住民の戸籍改めがあるだろうことも。今は上手くエリア11を治めることが出来なかったクロヴィスの不手際も手伝って徹底されていない部分も多いが、コーネリアはいつまでも現状を放置はしないだろう。その意味では、ゼロをはじめとしたテロリストの騒ぎはルルーシュ達が身を隠す一助になっていた。

(違う、今はゼロのことは関係ない)

 じわりと胸に広がった懸念を振り払ったスザクは、改めて眼前の幼馴染を見遣る。いくらも飲んでいない紅茶をソーサーに戻した彼は、小さく息を吐いて目を細めた。その表情だけで彼の意図を理解したスザクは、眉根を寄せる。

「そう、今のままでは。だが、お前の言葉を借りれば、「このまま」ではユーフェミアにも未来はない」

「どういう意味か、聞いて良いかな」

「ユーフェミアの理想は理解する。しかし、彼女の力は限られた範囲にしか及ばない。彼女が完全に理想を実現するためにはブリタニアが壁になる。…そして、彼女ではブリタニアは倒せない」

 徹底してブリタニアを倒す必要があると思っているらしいルルーシュに反駁しようとして、スザクはふと自身の主の厳しい口調を思い出す。守れないルールならば打ち壊してしまえと言った彼女とルルーシュは、ひょっとすると同じ方向を向いているのかもしれない、と。
 
「ルルーシュ、君の言う意味もわかる。だけど、ユーフェミア様も…僕も、現状を変えるための努力をしている。もどかしいと感じるのも分かるけど、僕を信じてほしい」

 伝えたいことが上手く言葉にならないのを感じて、スザクは眉根を寄せた。
 本当のことを言ってしまえば、スザクはルルーシュの行動を疑っている。突飛な発想だということは重々理解しているが、幼馴染の欠席状態とテロが活発になるタイミングは異常なほどに一致していた。無論ルルーシュが出席しているときにテロが起こることもあったが、幼馴染の周到さを考えればその程度のフェイクは頷ける。だが、小競り合い程度の事件はさておき、政庁を揺るがすほどの…そしてコーネリアが対処できないほどのテロが起こった時はスザクが知る限りルルーシュは欠席している。それを偶然の一致と呼ぶことも出来た。スザク自身、初めは幼馴染に危険がないかと気になった程度のことで、これを問題視する者は皆無といって良いだろう。一学生の出欠と、エリアを揺るがす大事件を結び付けようとする方が馬鹿げていた。
 しかしスザクはルルーシュの「正体」を知っていたし、それ故に彼がブリタニアに激しい敵意を抱いているということも、更にはルルーシュの知性が尋常一様のものではないということも十分すぎるほどに理解している。その上で、緻密に計算された…そして必要に応じて周囲の意表を突く大胆なゼロの手口に、いつしか友人の性質を重ねて見るようになった。無論、誰に話したこともない。他愛もない妄想だといつかルルーシュ本人に笑って欲しい、そう思いながらもその希望すら叶えられないまま胸に秘してきた。
 厳しい表情で黙りこんだスザクに、ルルーシュは淡く笑みを見せる。

「別にお前を信じていないわけじゃない。だが、今のままではユフィの理想は理想のままで終わる。世界がブリタニアの専横を許している、今のままでは。せめてブリタニアと拮抗できる実力を持った「何か」が必要なんだよ」
 
「ルルーシュ! 間違った方法で得た未来に意味は、」

 反射的にルルーシュの言葉を否定しようとしたスザクは、唐突に己が主の声を脳裏に思い出して口を噤む。彼女は誰しも「大切な人を守るため」戦って良いのだと言った。スザクとてルールそのものを尊重しているのではない。ただ、それを順守しなかった場合に失われるものの大きさを嘗て思い知っただけだった。だから、ルールを守って「正しく」生きていけば望む世界が手に入ると信じた…否、信じようとした。

(ブリタニアのルールに従えばルルーシュ達は生きていけない)

 その現実を変える必要がある、そのためにはルールを破ることは必ずしも「悪」ではない。もっと正確に言えば、スザクにとって「正しい世界」の象徴とも呼ぶべき幼馴染達を否定するのであれば、そのルールこそが悪だった。

(だから…ルールを守らなくて良い? いや、そうじゃない)

 安易に横道に逸れそうになった思考を、頭を小さく振ることで切り替える。確かにユーフェミアに諭されるまで自分は思考停止状態でただルールだけを守ろうとしていた。その結果、自分が何を失うかも考えないままで。その意識を解放してくれた主には感謝しても足りないが、だからといって今度は彼女の言葉を鵜呑みにするだけでは何も変わらないままだった。考えなくてはならない。

「こら」

 黙然と考え込んだスザクの耳に軽い叱責の言葉が届くと同時に、優しい手つきでくるくると元気に跳ねまわった髪をかき回される。驚いて目を上げると、正面にいた筈のルルーシュが悪戯っぽい笑みを浮かべて己が隣に立っていた。スザクが思考の淵から意識を戻したことを理解した彼は、細い指でスザクの頬を摘まんで左右に引っ張る。

「い、いひゃいよるるーひゅ」

「会話の途中で居眠りするような奴には丁度いいだろ」

 これほどまでに真面目な話をしているにも関わらず、笑いながら言うルルーシュの声の柔らかさは普段と何も変わらない。それを不謹慎と取るか、逆にいつもこの程度の緊張感を保ったまま生きていると判断すべきか、そのどちらが正しいかくらいはスザクにも理解出来た。ルルーシュはいつも正しくて優しい。そして、幼いころから峻烈と称して良いほどに己が信念を曲げない人だった。そのルルーシュが否と言うからには、今の自分では彼を説得することはできないだろう。
 厳しい議論の果てではなく普段と何一つ変わらない雰囲気にそう悟らされたスザクは、詰めていた息を吐き出した。友人の腕を掴んで自分の頬から離すと、スザクの纏う気配の変化を読み取ってか彼は小さく首を傾げる。

「寝てないよ。…ルルーシュ」

 彼の名を呼ぶ、意識せずとも硬くなった声音にルルーシュが目を細める。今の自分が説得できないのならばそれは仕方がない、それでも伝えておきたいことがあった。それが日常に埋もれてしまわないように、スザクはルルーシュを見据える。

「必ず、君が納得する結果を出して見せる。だからそれまで、危険なことだけはしないで欲しい」

 絞り出すような声には、我ながら有無を言わせない響きが込められていた。威嚇したかったわけではないが、そう取られても仕方がないほどに厳しい声に、しかしただの学生であるはずの友人は僅かたりとも動じた様子を見せない。悠然とした余裕を失わないその姿は、一見それまでと全く変わらないようにすら見えた。だが、浮かべた笑みの種類が変わっていることを見逃さない程度にはスザクはルルーシュを理解している。
 それまでの宥めるようなあやすような、いわばスザクを甘やかそうとする柔らかさが失われた笑みには、代わりに挑発的な彩りが加味されていた。出来るものならばやってみろと言外に告げられて、思わずスザクは苦笑する。

(やってみせる…もうなにも失わないためのルールを)

 胸中に決意を改めながら、そこに悲壮な色がないことを自覚したスザクは自身の図太さに呆れるような気分になった。過ちを犯した自分が望みを叶えてはいけない、幸福を目指すなど許される筈がない…そう思っていたが、ユーフェミアの声に前を見据えてはじめて、自分があの瞬間から前に進んでいないことに気付かされた。それでは何も守れない。自分に何が出来るのかは分からない、だが進むための目印はいつでもあるのだと気付かされた。

「約束して、くれるかい」

「さあな。お前次第だろ」

 無駄と知りつつも念を押すと、返る友人の声は楽しげに弾んでいた。予想したものと異なる声に目を瞬かせると、ルルーシュは意表を突いてやったとばかりに声を上げて笑う。それはただ穏やかな笑みとも何かを隠そうとするそれとも違う、ひどく屈託ない仕草だった。

「…誤魔化さないんだね」

「お前が少しはマシな顔になったからな」

 やや呆然とするスザクに満足げな笑みを浮かべて、やにわにルルーシュは表情を改める。それは思わず背筋が伸びるような、真摯な面差だった。

「スザク、俺は俺の道を行く。お前はお前の信じることを為せ」

「それは…いつか、交わる道だと信じて良いのか」

「それこそ俺達次第、だな。目指すものが同じなら、いずれ同じところに行きつくさ」

 言明されない言葉の内容に、しかしスザクはこれ以上ない答えを見出していた。それ以上の何を言うべくもなく、しっかりと頷く。
 一拍後に肩の力を抜いたスザクは、同じく学生の表情に戻ったルルーシュに情けない表情を向けた。

「ところで今日の夕ご飯、なに?」

「…デミグラスハンバーグだ」

 ルルーシュに応えるように腹の虫が鳴いて、それが対談終了の合図になった。 












「甘いな、坊や」

 来客が帰宅した後、自室の寝台にしどけなく魔女が横たわっているのは既に驚くには値しない。無感動に視線を滑らせたルルーシュは、しかし彼女が脱ぎ捨てたブーツに眉根を寄せた。我が物顔に自室を使われることへの抵抗は消え失せたが、自堕落な彼女が衣服を脱ぎ棄てて放置することには一向に慣れそうにもない。ため息を零しながら靴を揃え、ルルーシュは咎めるような視線を向けた。

「靴くらい揃えろ」

「それは聞き飽きた…というか、私の忠告は無視するつもりか?」

「お前の忠告とやらの方こそ聞き飽きた」

 軽口を返しながら、魔女の言葉の正当性を理解しているルルーシュは今更とばかりに肩を竦める。「以前」スザクは無視できない障害になった。最終的に協力関係になったとはいえ、同じ道筋は歩まないと決めた以上それは参考にならない。だが逆に「以前」とは異なる道筋を選ぶことでスザクを回避することも不可能ではない、とルルーシュは意図していた。
 泰然とした共犯者の態度に満足げに鼻を鳴らしたC.C.は、つま先でルルーシュが揃えたブーツを蹴飛ばしながら部屋の主の視線を捕える。

「まぁ奴のことはこの際どうでも良い。それより、慈愛の皇女様に対抗する手段は考えてあるのか?」

「対抗? まさか。ユフィには成功して貰うさ、『誰からも奪わない幸福』のモデルケースを」

 優しい未来を願うような言葉を零しながら、ルルーシュの笑みは明らかに善人のものではない。ユーフェミアの善意を知っている、そしてそれを己がために利用しようとする彼はいかにも魔王と呼ばれるに相応しかった。こんな時のルルーシュは彼の妹に対する時や学生として穏やかな日常に住まう時は勿論、ゼロを名乗り理想を追っているときとも異なる表情をする。それが共犯者としての自分にだけ許された部分であることを知っているC.C.は、静かにゆっくりと目を細めた。

「妹はどうする」

「既に手は打ってある。ナナリーは俺がいなくても生きていける、それが分かっている以上どうとでも出来る」

「随分信頼しているんだな」

「当り前だろう、俺の妹だ」

 誇らしげに言うルルーシュは、ふと表情を和らげた。静かに愛情を噛み締める、それと同じものを共有してやれないC.C.は音もなく体を起こすとそっと共犯者の頬を撫でる。
 その些細な仕草を受け入れられること、それを幸福と呼ぶのだとC.C.は知っていた。 
















       















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